数年前に「福島区在住」というグルメを中心とした同名のブログをやっていました。諸事情によりそれは閉じることになってしまったのですが、その間にもこの大阪市福島区という町は生き続け、刻々と姿を変えていました。マンションもずいぶんと増え、今この記事を書いている最中も、建設現場の鉄骨が重なりあう音が聞こえてきます。一部学校では増えた学生を受け入れるために区域変更を行い体制を整えているところもあります。きっと子供の遊ぶ声も大きくなることでしょう。有名になったグルメスポットを訪れる人も増え、「福島」を冠にしたグルメイベントもすっかり定着しました。
一昔前の日本はどんな風景だったのか、仕事や趣味で調べる機会が多々あるのですが、一枚のなにげない街の写真から当時の生活が読み取れるものがあります。道路の広さや走る車、脇の電柱、店の看板、商品の価格、建物のレンガ、行き交う人の服装・髪型……。そこには今ではもう見られないものやひっそりと無くなってしまったもの、誰も気を留めなかった何気ないものが多く記録されています。
日本の町の風景を撮り続ける、ビセンテ・ハビエル・ルナとおっしゃる写真家の方が、新聞記事でこう語っています。
「10年後20年後、この写真を見て懐かしさを感じる人がいるでしょう。私は未来の思い出を作りだしている」
この何気ないブログが、そうなることを祈って。
福島区在住、再スタートします。